夫は、なんばに出ると、たびたび「南海そばが食べたい」と言う。
南海そばは、特に何の変哲もない、駅構内の立ち食いそば。
わたしはそこまで立ち食いそばが好きではないし、
たいがい断るのだか、昨日、よくよく夫に話をきくと、
「南海そばは、チャーリーにとって思い出の味だから」と言う。
夫は子どもの頃、父親に連れられて、
なんばの今はなき南海ホークスの野球場によく行っていた。
和歌山の高野山の麓からなんばに行くのは、
田舎から都会に出る独特のワクワク感があったのだそう。
その時に、父親としばしば一緒に食べた思い出があるのが、「南海そば」なのだとか。
そうか、南海そばは、夫にとって特別な味なんだ。
そして夫の祖父も父も、二代揃って南海系列の会社に勤めていたこともあり、
南海電車自体も、夫にとって特別な思い入れがあるそうだ。
わたしも結婚後、縁あって南海沿線に住み、堺東駅の近くに恋する婚活部のサロンもかまえた。
すっかり沿線の駅の名前も覚えて、南海電車にお世話になりながら生活している。
5年前には全く想像していなかった生活だ。
結婚とはそういうもので、婚活中に描いた未来とは全く違う方向へ進む。
頭で先のことを考えすぎて一歩踏み出せない人に伝えたいのは、
あなたの5年後10年後は誰にも(あなたにも)分からないということです。
今度は南海そばに付き合ってあげよう。。。