10年前、39歳独身だったわたしが見たビジョン

このままずっと独身なのかという焦燥感と寂しさの中、通勤の帰り道、ひとり、車の運転をしていた。

そしたら、車の助手席で、チャイルドシートに乗った小さくてかわいい男の子が、わたしのことを「かぁーちゃん!」と無邪気に呼ぶビジョンがブワッと出てきた。

自然に涙がぽろぽろでてきた。

ああ、わたしはこんなかわいい男の子がほしい!
「かぁーちゃん」と呼ばれたい!

39歳、出産のタイムリミットに近づいてきている。
子どもを産むのはもう、これが最後のチャンスなんだろうと思った。
がつがつ仕事なんかしてる場合じゃない。

39歳から40歳にかけては、運命がカチッと切り替わったタイミングで、結婚に対してふわふわしていた自分が、「絶対に結婚する」と決めた年だった。

決めたら動いた。
2年も友達だった今の夫とも、あれよあれよという間に付き合って一緒に暮らし始め、1年後に婚約。

ところがその頃、2回目の子宮筋腫の手術をして、主治医から、「自然妊娠はほぼ不可能。どうしても子どもを望むなら、今すぐに体外受精を開始しなければいけない」と言われた。

すごく悲しかったけど、その時に、「これは、子どもはほぼ無理なんじゃないか」と悟った。
身体に負担をかけて、体外受精をしてまではいらないかなと思った。
わたしには甥っ子もいるし、20代の頃、保育士をしていて、たくさんの子どもを育ててきたので、それでいいかと自分を納得させることにした。

あとは、当時婚約者だった夫に、婚約破棄されるのを覚悟で、子どもは難しいかもしれないことを打ち明けた。

そしたら夫は、「子どもがほしいから結婚するわけじゃない。チャーリー(←夫のあだ名)が、ほこちゃんの子どもになる」
と言ってくれて、心底救われた。

今でもあの時の夫の言葉を思い出すと、とてもありがたく、わたしの胸をあたたかくする。

そして、39歳の時に見たチャイルドシートの子どものビジョンは、前世の夫だったのだろうか?とも思う。

また、20代の頃の保育士経験があったからこそ、「自分の子どもがほしい」という執着が、わりとあっさり手放せたのかもしれない。

全ては繋がっている。

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